しかし、「アマルガムは、まったく安全な材料か?」というと、そうとも言いきれない側面もあります。
アマルガムは、他の金属と比べて金属アレルギーになりやすいようです。島津恒敏医師は、平成13年の水銀国際会議で「アマルガムとアトピー性皮膚炎の関係」について発表しています。アマルガムを除去して他の金属やレジン(合成樹脂)に替えたところ、1年後には約70%が改善したそうです。
また、アマルガムは、パラジウム合金(健康保険で一般的に広く使用されている金属)に接触すると、マクロガルバニー電池腐食作用によって、対粘膜間や金属間で起電力が発生すると、アマルガムの成分である水銀イオンやパラジウムイオンが溶解します。そして、それらは、体内に取り込まれて蓄積していくことになります。
そのような観点から、私は、アマルガムを健康リスクの高い材料と考え、使用していません。
それでは、アマルガムの代わりに、他の金属やレジンを使えばよいのでしょうか。単純に、そうとも言いきれないようです。金属アレルギーのことを考えるならば、金属の使用をできるだけ避けたいです。歯科で用いている金属は、合金の形で使われています。「金だから大丈夫!」とは限らないのです。
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